Webアプリ開発の世界は、常に“推しフレームワーク論争”がつきまとう。3年前、Vueエンジニアだった俺もその渦中にいた。
けれど YouTube や海外コミュニティで React を独学しはじめてから、世界は一気に広がった。 今この記事を読んでいる未経験〜若手エンジニアには、迷わず React に飛び込んでほしい。
まずは肩慣らし──フレームワークってそもそも何?
HTML/CSS/JavaScript だけでも画面は作れる。しかし規模が大きくなるほどコードは泥沼化し、保守も改修も地獄になる。
そこで登場するのが “フレームワーク”=開発を効率化する骨格 だ。React も Vue も「UI をコンポーネントという部品に分解し、再利用しながら組み立てる」考え方は共通。違いは設計思想とエコシステムの広さにある。
Vue から React へ──独学でギアチェンジした3年間
当時の俺は「国内案件は Vue が多いし、学習もラク」という理由で Vue 一筋だった。だが YouTube の海外チュートリアルを漁っているうち、Sonny Sangha氏 の爆速ライブコーディングに衝撃を受けた(@SonnySangha
はフロントエンド沼の秘密基地だ)。音楽を流しながら、コーディングの様子をライブ配信。見るだけでも本当に勉強になる。
https://www.youtube.com/@SonnySangha
さらに Meta(旧 Facebook)社内アプリが軒並み React 製と知り、
「世界標準で戦うなら React だろ」と心が決まった。実際、Meta は News Feed から Instagram Web まで React を全面採用している。
他にもReactで作られている、有名どころのアプリはUber Eats、Pinterestなど。
データで見る:国内外の“いま”
- 国内求人
2025年6月時点の Indeed で「React 案件」を検索すると約24,000件。対して「Vue.js 案件」は約17,000件にとどまる。
未経験から“参入しやすい現場”は Vue にも多いが、単価帯・案件母数ともに React が優勢だ。
数年前は、Vueの方が多かった印象だが、ここ最近は完全に逆転した印象だ。 - 世界的シェア
Stack Overflow Developer Survey 2023 では、React の使用率が約39.5%、Vue は15.4%。差は開く一方で、「使われている」だけでなく「今後使いたい」でも React がトップだった。gist.github.com
「React は難しい」は本当か?
確かに最初は JSX や Hooks で戸惑う。だがそれは “基礎 JS 力”を一段深く鍛える儀式 みたいなもの。
理解が腑に落ちると――
- 再利用性:コンポーネントとカスタム Hook で“設計からテストまで”一気通貫。
- エコシステム:TanStack Query・Next.js・Remix…選択肢が無限。しかも最近は Vue でも TanStack Query が使えるようになり、**“React 発祥の便利ツールが他フレームワークへ波及”**する流れができた。
- マルチプラットフォーム:React Native/Expo でモバイル、React VR でメタバース…1スキルで複数市場を横断できる。
Vue3 は Composition API + Vite で爆速開発を実現し「React を追い抜いた?」感もある。けれど、その Vite すら React 界隈に瞬時に輸入されるスピードを見れば、イノベーションの震源地は依然 React だとわかる。
独学ロードマップ──俺が踏んだ3ステップ
- YouTube で“目と手を慣らす”
- Sonny Sangha 氏のReactでクローンアプリシリーズだ。世の中にある有名どころのアプリをクローンして作れるから、テンションもマインドも爆上がりだ。
- 実案件ベースの国内ブログで設計を学ぶ
- 国内ブログで一番参考にさせてもらったのがReffect(アールエフェクト)。こちらのブログを何度みたことかわからないほど。ジュニアエンジニアには本当に役立つコンテンツだ。
- 同人書籍で体系化
- 『りあクト!』全3巻を BOOTH で購入し、体系的に学習。初学者にも非常にわかりやすく、頭を整理するのに最高の教材だった。https://booth.pm/ja/items/2368045
この3本柱に 公式ドキュメント(react.dev) を毎日10分読む習慣を足せば、半年後には自作ポートフォリオで案件に応募できるレベルになる。
それでも迷うなら──未来視点で考えよう
- Web の次はモバイルと VR。React はすでに両方の公式ルートを持つ。
- TypeScript+React が“デフォルト”になりつつある今、書けるだけで設計レビューもリーダー業務も任せられる。
- コミュニティの規模=情報量=成長速度。バグでハマったときに「ググっても誰も答えてない」は時間泥棒だ。React では起こりにくい。
Vue は素晴らしい。でも “優しすぎる入り口”は時として“狭い出口”を生む。
React は険しい入り口に見えて、出口が空港の滑走路並みに広い。そこを走り抜けた先に、グローバルリモート案件や自社 SaaS の CTO ポストが待っている。
まとめ──React は“世界語”だ
「迷ったときは React。Vue はあとからでも間に合う。」
3年前、Vue から React に舵を切った俺は、いまリモートで海外チームと並走しながら好きな案件だけを選べている。
次に同じ景色を見るのは、この記事を読み終えたあなたかもしれない。
「よし、やるか」と思った瞬間が最速のスタートラインだ。
コードエディタを開け。ターミナルを叩け。React の“青い海”は、もう目の前に広がっている。